サン・ピエトロ大聖堂放浪記
- in ローマ
- イタリア
ここはキリスト教カトリックの総本山。ローマ法皇が住んでいる広大な敷地はヴァチカン市国という独立国家だ。周辺道路の境にはフェンスが置かれたりラインが入ったりで実際「国境」(写真下)が存在するのだから、2000年近く世界を動かしてきた宗教の力をヒシヒシと感じるところ。
紀元326年。キリスト教に改宗したコンスタンティヌス帝は、聖ペテロが殉教(紀元64年と67年の説有)したと言われるネロの競技場跡地付近に巨大な聖堂を完成させ、アッピア街道のカタコンベから彼の遺骨を運んで埋葬した。それは長い間信仰の対象となってきたけれども、1500年頃には老朽化が進んだため、1506年に新聖堂建築がスタート。けど建築家が替わるたびに設計プランが変更となり、ミケランジェロが起用されるまでは遅々として進まずに、結局完成は1626年。って感じが一般的に語られるこの寺院の成り立ち。最近、発掘や研究が進んで細かい部分でいくつか説が分かれるのだけど、どれが正しいのやらだ。ここに競技場はなく聖ペテロが埋葬されていた共同墓地だったとか、現在の広場にはローマ神殿があったとか... 過去に為政者の思惑で都合よく歪められ伝えられてきたであろう「史実」にかき消された真実は、2度と「真実」とは呼ばれないのかもしれない。
さて、ルネサンスの建築と美術を集大成したようなこの寺院。とにかく予想以上にでかい。すべてが通常の2倍と考えても余りある状態だ。先ず、ミサになると信者が30万人入ってしまうベルニーニ設計の広場(写真上)だ。カリギュラ帝がエジプトから持ち帰ったと言われるオベリスクが中心にそびえ、大聖堂の横から伸びた両手で広場を抱くように半円形で柱の数284本の柱廊が両側を囲んでる。広場にマークされたある地点から見ると、4重に配置されたその柱が完全に一重に見えるような設計がなされ、上には主にベルニーニの弟子達が造った3メートルほどあるカトリック聖人たちの立像が140体(写真下)ずらりと並ぶ。そんなのやら巨大な噴水やらを尻目に、寺院の入口にまっすぐ向かうんだけど、すぐ近くのようでもそこまで結構歩いたりする。
建物の正面中央には位に就いた法皇が祝福を与える時に使うバルコニーがあって、その下に寺院の正面入口が5つ。現在では出入りが多いためになかなか好きな扉?から入ることはできない。特に一番右の扉は「聖年の扉(ポルタ・サンタ)」と呼ばれて普段は封印されており、開いてここから入れるは25年ごとの聖年(次は2025年)だけ。寺院の所々にいて法皇の警備にあたるのはスイス衛兵(写真下)だ。ヴァチカンではかつて法皇を勇敢に守ったスイス人を衛兵に使うのが慣習となっているそうで、コスチュームはミケランジェロのデザインだとか。入口に辿り着いたからといってホッとせず、中に入る前にここが信仰の中心地ということをもう一度思い出して欲しい。戒律により肌の露出を含めて非常識なことは許されないよ。なんかあればすぐ係員が飛んできて注意を受けるか、場合によっては追い出されるからそのつもりで。ま、最近一番モラルが無いのは日本人と言うから落ちるところまで落ちたもんだが。
内部に入ったらあまりの広さに我を失って、ウロウロ始める人が多いので、ここはそれを我慢してすぐ右を注目。いつも人がたかってるけど、ガラス越しにミケランジェロが24歳で制作したピエタ像(写真下右)を見ることができる。処刑されたキリストを抱くマリア様のモデルはミケランジェロの妻とも母とも言われる。そのまま後ろを向いて中央に向かうと、通路の両脇に巨大な天使を配した聖水盤(写真下左)がある。あえて使う必要はないけど、信者がどういう風に使ってるかウォッチしてみよう。
奥まで真っすぐ進むと巨大なクーポラの下に出る。そこには主祭壇が置かれてて何もかも荘厳・華麗。中央の柱一本が普通の教会ひとつ分の大きさとかで、なんだか感覚がマヒ。近くに地下への階段を見つけたので恐る恐る降りる。そこには一部がかつてのコンスタンティヌス帝聖堂の頃から残るとされる地下墓地があった。聖パウロはもちろん歴代の教皇が眠るところなので撮影は厳禁。その他にも大聖堂内には宝物館や巨大なクーポラの頂上に上がるための有料エレベーター等への入口があるのでグルッと探してみると面白い。知らない間に歩かされるので疲れるけど(笑)。
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