メンフィス遺跡公園放浪記
- in サッカラ
- エジプト
メンフィス(アラビア語でメンフ)は紀元前3100年の第1王朝時代から都として栄え、ルクソールに都が移っても、政治や交通の要として繁栄し続けたといわれる文明の中心地的な場所で、元来サッカラはもちろん、ギザやダハシュールを含む広範囲の地域を指す地名だ。けれどもナイル川の氾濫の度に泥をかぶり、エジプト文明の衰退と同時に徐々に土の下へ埋没したため、あちらこちらに多くあったはずの文化的遺跡は今となっては完全に地中深く埋もれ、さらにアスワンダムの完成によるナイル川の水位の変化などから、どこも発掘不能の状態となってしまったようだ。ほとんど田畑や人家が点在するだけで、そんな背景を知らなければ都だったことを想像することすら難しい風景が、このあたりのナイル川沿いに続く。その中で現在一般的に「メンフィスの遺跡」と呼ばれる場所はミト・ラヒーナ村付近。やなりひなびた村で、その一角にナツメヤシに囲まれた歴史遺跡展示広場と小さな博物館がある程度だ。
ここには2つの観光名物がある。ひとつは1820年に発見された、元は15mはあったであろう巨大なラムセス2世立像(写真下)。付け髭が真直ぐで左足が前に出たこの像は、ラムセス2世が存命の頃にその若かりし姿を写させたようだ。ひざ下が無い現在では12mの巨体を回廊付きの博物館の中に横たえるのみ。全体は2階の回廊から撮影できる。特に上半身右側は非常に状態が良くて、3350年経っているとはとても思えぬすべすべ感を持つ。また、この手の像はたいてい2体でワンセットなのだが、相方は現在カイロのラムセス中央駅に置かれているとのこと。
もうひとつはアラバスター(雪花石膏)製スフィンクス(写真上)だ。全長8m、高さ4.25mあって、1912年に一部が地上に顔を出しているのを近郊の農民が偶然発見した。有名なギザのスフィンクスに次いで現在2番目に大きいのだが、1位との差はかなりある。右半身だけを地上に露出させて長い年月を送ったためか、右と左ではお肌の具合がかなり違う。お顔はふくよかで整っており、ハトシェプスト女王を模したという説もあるようだ。
他に幾つか、近辺で発見された石像や碑文などが広場を囲むように置いてある(写真上)。中央の立像はやはりラムセス2世。入口には広場の規模にそぐわないお土産屋さんや物売りがいて、日本人観光客はしっかりとマーク?されるのでそのつもりで見物することをオススメします。
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